治療することから予防することへと歯医者さんも変わってきています。
一般的な歯の治療、金属を白い歯に取り換える審美治療、顎関節症や親知らずの抜歯を行う口腔外科などの診療科目に虫歯や歯周病を防ぐことを掲示する歯医者さんが増えてきています。
虫歯になったら来てもらう受け身スタイルから、虫歯や歯周病を攻めの姿勢で防いでいくことがそのスタイルです。
虫歯や歯周病を防ぐものとして最初に思いつくのが毎日のブラッシングですが、正しいブラッシングは意外と難しいものです。
自分ではどの部位もしっかり磨いているつもりになってしまっているかもしれません。
例えば右利きの人はどうしても右側の歯が磨き残しが多くなります。
左の方が右手では磨きやすいからです。
逆に左側の犬歯の辺りは磨きやすさから力が強くかかってしまい歯茎を傷つけていることがあります。
歯医者さんでは衛生士が歯磨きがどんなふうにできているのかを客観的に見てくれます。
歯ブラシの仕方など的確に指導してもらえますので毎日の歯磨きがより効率よくできるようになります。
虫歯菌や歯周病菌の中には通常の歯ブラシでは落としきれないものがあります。
歯の表面に付くバイオフィルムはネバネバした薄い膜で虫歯菌や歯周病菌の温床となっていますが、これは歯医者さんで特殊な道具を使わないと落とすことができません。
小さなラバーカップで磨いてこれを落としますが、ラバーカップは柔らかい素材なので歯を傷つけることなく汚れだけを落とすことができます。
歯石除去も大切なことになります。
歯石はスケーリングという専用の機器で落とします。
超音波で落とすスケーラーと手で落としていくスケーラーがあります。
数か月に一度、歯医者さんを訪れてクリーニングして予防することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
虫歯や歯周病は治療できるものばかりとは限りません。
風邪や切り傷などは自然治癒するものですが、虫歯は一度溶けてしまうと、もう自然治癒しません。
歯周病で骨が溶けて抜けてしまった歯はもう生えてきませんし、埋め直すこともできません。
もし、虫歯や歯周病になっても直せば良いだけ、とはならない可能性もあるのです。
また、虫歯も歯周病も症状が進むと痛みを伴います。
治療も1回の通院では終わらない事もあり時間的にも金銭的にも負担となります。
同じ歯医者さんに通うのなら、クリーニングで痛みも無くすっきりする予防歯科に通うほうを選ぶ方が、徐々に増えています。
みなさんも少し考えてみては、いかがですか?